京セラのコンタックス事業の撤退に始まり、ニコンのフィルムカメラの大幅なラインナップの縮小、コニカミノルタのフィルムカメラ、フィルム事業の完全撤退とフィルムによる写真文化に暗雲が立ちこめる中、最も逃げ足が速いと思われていたが、なぜかしぶとくフィルムカメラのラインを維持していたキヤノン。
 キヤノンは、2月にはニコンのフィルムカメラの大幅な縮小に対して、フィルムカメラも十分にビジネスとして成立しているので、ラインナップも維持するとのことを明言し余裕綽々でいたにもかかわらず、ついに、産経新聞のインタビューに「機種は絞り込み、製品を固定する」と述べ、フィルムカメラの新規開発の中止を示唆した。

【参考】
Yahoo! JAPAN 5月26日 [http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060526-00000017-san-bus_all]
産経新聞 5月26日[http://www.sankei.co.jp/news/060526/kei003.htm] 


 「キヤノン。お前もか…。」というより「やっぱりね…。」という感じで別段驚きは感じないが、御手洗社長が経団連の会長職に専念するためにキヤノンの会長になると発表し、経団連会長の任期がスタートした直後にこの発表と言うのは、ちょっと発表の仕方がいやらしいと感じなくもない。

 しかし、御手洗氏の後の社長はカメラ事業部の責任者であった内田氏である。この人が、フィルムカメラに「市場のニーズがある限り続ける」とは言うものの、新機種は出ないと事実上の終了宣言をしたということは、フィルムカメラの愛好家にとっては、ある意味では幸せだったかもしれない。(産経新聞に自社のカメラを持ち会見している内田氏の写真はとてもカメラ好きの人のように見える。)
  
 需要が見込めず、フィルムカメラは儲からないから辞めるということなのだが、これが他の部署の出身の社長なら、何か切り捨てられたというイメージがどうしても残る。しかし、カメラの部門で成功してきた人が言えば、需要の問題が主であるのは間違いないのだが、フィルムカメラでは現在、出ているもの以上の革新的な機能を盛り込んだものは出来ないから、これ以上、新規開発の必要はないととれなくもない。実際、現行機種以上の性能が必要かと言われれば、ほとんどの人は、必要ないと答えるだろう。
 現在のところ、新聞社のインタビューの中で、新規開発が中止ということだけを示唆しているだけで、公式的な発表ではないようである。追って公式な発表があると思われる。
 しかし、「市場のニーズがある限り続ける」とは述べているものの、新規開発中止が、完全撤退に変わる日もそう遠くはないだろう。

 簡単にある程度、満足のいく綺麗な画を撮るなら、デジタルカメラを使った方が、多くのカスタマーの要求に応えることができるであろう。キヤノンはそういった多くのカスタマーに適切な製品を提供していくのが実に上手いメーカである。
 元々、キヤノンは趣味性の高いカメラではない。だから多くのユーザーはキヤノンが一番早くフィルムカメラを捨てるだろうと考えていた。ところが、新規開発の中止だけで、まだ撤退を表明しているわけではない。これだけでも、結構、立派である。

 しかし、キヤノン、ニコンという二大巨頭が、フィルムカメラの事業をマニア向けのニッチな事業と認識し、この事業の未来については積極的な展開をしていかないことを明らかにしたことは、事実上、フィルムカメラという一つの製品が、既に過去のものとなったことを意味している。
 
 数年前から、フィルムカメラは趣味性の高いカメラでないと生き残っていけなくなることは分かっていたことである。そういう趣味性の高いカメラの代表が、ライカであり、ローライであり、コンタックスである。しかし、コンタックスはもうない…。もう少し我慢して、細々と作ってくれれば、それなりに売れたと思うのに…。

 フィルムがなくならなければ良いけど、フィルムカメラの新製品が市場に出てこないというものさびしい気がする。(それでもNikon F7は出ると思う。)フジフィルムかコダックが、フィルムの需要を掘り起こすために直接、カメラを作ってくれれば一番、良いのだが…。フジフィルムがCONTAXを復活してくれないかな…。

 頑張れ!フィルム!!
  
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