今年のD-SLRは力作が多く出た。

 オリンパスからは、超小型軽量D-SLRのE-410、またボディ内手ブレ補正機能を搭載してかつ、E-410に続く小型軽量を実現したE-510。そして、待ちに待ったE-1後継機のE-3。どれも特徴があり、楽しく、そして素晴らしいD-SLRに仕上がっている。

 キヤノンからは、EOS30Dのリファインモデルで、価格を相当抑えて出してきたEOS40D、そして、フラッグシップのEOS1D MarkⅢとEOS1Ds MarkⅢ。

 ニコンからは、APS-CのDXフォーマットのフラッグシップD300とFXフォーマットのフラッグシップD3。

 どれも、素晴らしいカメラだと思う。
 しかし、まだフィルムの色の深みには全く及んでいないと感じるのも事実。
 その一方で、フィルムカメラには不可能なことが、いとも簡単にできてしまい、それは撮影の範囲を大幅に広げているということも事実である。

 EOS1Ds MarkⅢの2000万画素を超える画像は、解像度だけなら、既に大判カメラに迫っているとも言われている。ニコンのD3の高感度は既にフィルムとは比較にならないほどの描写力を持っている。
 ただ、フルサイズのセンサーの性能に見合ったレンズはまだないようで、資産の継承を唱えてフィルムと同一のマウントを維持したものの、ほどんどのレンズは、マウントは同じものの新型レンズが発売、もしくは発表されている。その新型レンズさえ、まだフルサイズのフォーマットではレンズが負けていると感じる。色々なところであがっているサンプルを見て、「え、20万以上もするレンズがこの描写!?」と驚く人は多いのではないだろうか? 

【参考】
http://dc.watch.impress.co.jp/
http://www.imaging-resource.com/

 やはり、フルサイズで、愚直なまでに性能を求めると、コンタックスのNシリーズくらいのレンズの大きさはないと、今の技術では無理なのだろう。
 数年前にCONTAX NXを買うとき某大手量販店の販売員が、CONTAXのNシリーズのレンズの優秀さを次のように力説していたことを思い出す。
 「キヤノンやニコンの広角ズームは、ワイド側での歪みは酷いくて、長く使っていると酔ってきますよ。VS17-35は単焦点レンズに迫る描写で、使っていて気持ちがいいですよ。でも、この大きさなので、全く売れないんですよ。広角ズームでまともな描写して、デジタルに対応できるレンズはVS17-35/F2.8しかないですよ。きっとキヤノンもニコンも、そのうちレンズを全部新レンズに替えると思います。VS17-35は今買っても、デジタル時代も、ずっと使えますよ。」
 しかし、そのずっと使える描写力抜群のVS17-35が使えるCONTAXは今はもうない訳で・・・。
 また、カメラとレンズのテストと実際に写真を撮るのはまた別な話で、良いカメラ、良いレンズ、描写力が高いレンズで撮った写真が良い写真と言う訳でもない・・・。

 ニコンが現時点では、描写とコストなどシステムで考えるとDXフォーマットがベスト、FXフォーマットは135判の感覚をそのまま生かせるのと高感度用のスペシャル版と言っているのはニコンの本心であり、ニコンの技術者の良心なのだと思う。 

 一時は、どうなるかと思うほど迷走していたフォーサーズだが、E-410では、小型軽量の可能性を見せ、E-3では、それより大きなフォーマットに負けないファインダー、そして画像を提供できることを証明した。E-3においては、ユーザーも考えもしていなかった世界最速のAF性能というオマケまでついた。(笑)

 135判の資産をそのままデジタルに移行させようとしているメーカーの機種は、「フルサイズ」という撮像素子の大きさを継承することで、資産(レンズ)を継承すると言いながら、実はほとんど新型レンズに変更している。しかも、そのレンズの性能も、まだ、撮像素子とフィットしていない部分があるように思える。実際、絞り開放付近では、フィルムでは問題のなかったことが依然として問題となり、それは新型レンズですら制約を受けるということとなって現われている。資産と言われる古いレンズは、フルサイズの撮像素子では、描写性能を考えれば、付くだけというのが実情・・・。
 さらに、135判のシステムサイズを継承した、フルサイズのセンサーは、フィルムの135判が受け持っていた撮影領域を遥かに超え中判、大判の撮影領域まで及ぶようなものとなっている。それもレンズの制約を受けるので、フィルムカメラと同じように使えるわけではない。
 満足のいくシステムを組もうとすると、非常にお金がかかるシステムとなる。 

 フォーサーズはデジタルの撮像素子では、135判の性能を出すにはもっとシステムを小さくできる、135判のシステムの大きさで作るならば、さらに高性能なものができるということから、システムを作り出した規格である。
 つまり、フィルムの135判の代替のデジタルシステムである。それは、「皆さん、中判、大判のカメラ必要ですか?必要でしたか?」という問いと同様と言っても良い。
 フォーサーズが、フルサイズのセンサーと同じ技術を使って、画素数も感度も同じようなこところを目指せば、間違えなく不利となるのは自明。フォーサーズは無理せず、フィルムの135判の撮影領域の代替のシステムとして頑張ってもらいたい。
 中判、大判のシステムの代替を目指すなら、フォーサーズⅡでも策定して新たにシステムを立ち上げればよいのだから。アダプター+クロップ付で、今の規格のレンズも流用できるなら、不満もでないだろう。

 「オリンパス第二章」のE-410、E-510、E-3が出たことによって、システムの多様性という意味では、非常に期待の持ているものとなった。また、小型軽量のスタンダードシリーズのレンズでも、非常に高性能であることが知られるようになった。さらに、E-3の登場で、ズイコー・デジタルのレンズの性能の良さが改めて認識されるようになった。
 E-3が、少し重いというように言われているが(私は高性能レンズとのバランスをそれほど重いとは思わないが)、システム全般で考えたときには、やはり他社のシステムよりは軽くできる。

 来年出るだろうE-二桁機を外さなければ、オリンパスは軌道に乗るかもしれない。
 E-510の外装を金属にして、E-3のファインダー(視野率は下げても良いけど、倍率は下げないものを用意)とAF(測距点5-7点、クロスセンサーは3点くらい)のスペックダウン版+可動式液晶で650gくらいに抑える。縦位置グリップを別売りで、実売13万なら大ヒットだと思うのだが。13万くらいに設定しておけば、E-3の底値もそこまで下がってこないというメリットもあるだろうし。
 E-410、E-510、E-330の後継機もどのように登場するのか、楽しみである。
 キヤノンとニコンの二強には追いつかないと思うけど・・・。
 発売して随分経つのに、いまだにキヤノンKiss DNとD40xが、一番売れているのだから・・・。

 でも頑張れ、オリンパス!!

 最後に、今年、一番のD-SLRの驚きは、ニコンD3の高感度の驚異的な画質とオリンパスE-3の1倍を超えるファインダーと世界最速のAF性能でしょう。
 来年も、面白いカメラが出て、写真文化に貢献してくれることを期待しています。

 2007年、最後の写真は、「南大門とオリンパスの広告塔」。

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【OLYMPUS E-1 + ZUIKO DIGITAL 14-54mm/F2.8-3.5】
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