フルサイズの撮像素子を搭載するCANON EOS 5Dの登場(発売は10月の予定)で、フォーサーズはどうなるのだろうか?

下手をすれば、フォーサーズはフルサイズ化の流れに飲み込まれて、志半ばで、消え去ってしまうかもしれない。
現在の技術では若干、周辺部分に問題があったとしても、それは非常に高いレベルでの画質を求めた場合であり、撮影環境を上手く揃えることができれば、さほど問題にならないだろうし、ほとんどの場合は、光量低下があるな、ちょっとぼやけているかな程度の問題で、実際に鑑賞に堪えないということはほとんどないだろう。

CONTAXはNシステムで、当時の技術で最高の画質を望み、従来のフォーマットと同じ、つまりフルサイズの撮像素子に合わせて、中判のレンズより大きなレンズをラインナップして、みごとに敗れ去った・・・。
OLYMPUSはレンズの大きさを従来をそのままにして、最高の画質を導くため逆算して、当時の技術で撮像素子を小さくしたフォーサーズを作った。
両社とも、AF化の波に乗り遅れたためにAF化、デジタル化を同時に行えた(行うしかなかった)という理由から新設計、新機軸を打ち出した。

AF化の波を上手く摑んだ他のメーカーは、自社のユーザーをそのままデジタルに誘導するために、大きな画質低下を伴わないぎりぎりの大きさとしてAPS-Cフォーマットという選択をとった。
広角が弱くなるが、これにはAPS-C専用のレンズなどを新たに準備しユーザーの要求に応えていった。

どちらが、ユーザーの支持を受けているかは言うまでもない。

デジタルの進歩は、驚くほど早い。
5年前に、1000万画素機の登場、10万円以下のデジタル一眼レフの登場がこんなに早く達成されると誰が予想していただろうか?
今回のEOS 5Dの登場は、新たな驚きであり、デジタル一眼レフのフル サイズ化の流れを作るエポックメイキング的なカメラと言えるだろう。
勿論、画質が思ったほどではなくて、やはり、今までのレンズではフルサイズは無理だということになるかもしれないが・・・。
とにかく、100万円近くしたプロ用のカメラと同じような撮像素子を持つカメラが、ハイアマチュアでも手の届く価格で出てきたのである。。(と言っても、まだ高いけど・・・。)

もし、周辺光量の問題が技術的に解決されてしまったら、デジタル専用設計としてフォーサーズ・システムを一から立ち上げた意義の多くの部分は失われてしまうかもしれない。

ただ、フォーサーズはフルサイズとは違った存在価値があると考えている。
それは深い被写界深度で早いシャッタースピードで撮影ができること。
これは大きなアドバンテージである。(ISOの感度upにより、解決できるけど・・・。)

ボケが必要な場合には、素直にフィルムで撮ればよかった。よほど枚数を撮る人でない限り、100万円近くするフルサイズの撮像素子の載ったデジタルカメラを買うのはコストパフォーマンスが悪すぎて、あまり良い選択ではなかった。
ところが、フルサイズの撮像素子のミドルレンジのカメラへの導入によって、フィルムカメラと同じ感覚をデジタルカメラでも使えるという選択肢を今までよりも安価に、そして容易にとることができる可能性が出てきた。(と言っても、まだ高いけど・・・。)
これは歓迎すべきことであろう。

「写真に情熱を捧げるすべての人へ。Canon EOS 5D。」
あなたは今、35万円、捧げますか?(笑)

果たしてフォーサーズは生き残れるか??
望遠、マクロを駆使するマニアックな人には確かに良いシステムである。
また、フォーサーズのユーザーはこのシステムを選ぶ時点で、自分がこのカメラをどう使うかをしっかり理解して買っている人が多いように感じる。
このシステムは、フィルムカメラのイコールの代替品ではない。
レンズなどの設計がデジタル専用というだけでなく、その撮影の発想までがデジタル専用なのである。
だから、フィルムカメラのイコールの代替品と思って買うと、違和感を感じ、それが不満となる。
それをわかって買っている人は、唯一無二のシステムとなるのである。

しかし、メーカーは撮像素子を小さくしたことによって、安く、小さくできると言っていたが、多くの人にとっては、他社との比較で、思ったほど安価でもなく、小型でもない現在のフォーサーズ機は魅力に乏しいと感じているようである。

いちユーザーとしては、フォーサーズ・システムのE-1+ZUIKO DIGITALにほとんど不満はない。
よくぞ、こんなカメラを作ってくれたと賞賛したい。
しかし、実際、市場でこのシステムを選んでくれている人はそれほど多くはない。
使ってもらえれば、いいシステムであることはわかってもらえると思うのだが・・・。

OLYMPUSはユーザーの声に耳を傾ける必要があるだろう。
特に少なくとも入門機に関しては・・・。

そうでなければ、EOS 5Dがある技術的にも商業的にも、ある程度の成功をおさめ、さらに低価格になり、また低価格機にもフルサイズの撮像素子が搭載されるようになった時には、フォーサーズの命数も尽きてしまうかもしれない。

デジタルの進歩は技術者が考えていたより、もっと早いスピードで進行しているのかもしれない。
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